足腰の痛みの原因はどこ? 医療の現場で使われる「3つの分類」でわかりやすく解説
- 藤井憲之
- 1 日前
- 読了時間: 6分
足腰の痛みは大きく3つに分類できる
「歩くと足が痛い」「朝起きると腰が重い」「長時間座るとしんどい」
・・・40〜60代の女性の多くが抱える足腰の悩み。
しかし、病院で検査をしても「骨には異常ありません」と言われ、どうすればいいか分からないまま…そんな不安を抱えて当院に来られる方は少なくありません。
医療の現場では、足腰の痛みの原因は大きく 3つの分類 に整理できます。
① 構造的な問題(骨・関節・軟骨の変化)

加齢や長年の負担により、膝の軟骨がすり減ったり、腰の椎間板が変形したりすることで痛みが出るタイプです。変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどが該当します。
特徴としては、
動き始めに痛む
階段の上り下りで違和感がある
立ちっぱなしがつらい
など、「負荷」によって症状が変動しやすいことが挙げられます。
整形外科で診断がつくケースも多く、画像上で確認されることもあります。
② 機能的な問題(筋肉・関節の動きのアンバランス)

もっとも多いのが、この 「機能の問題」 です。
筋肉の硬さ、関節の動きの悪さ、姿勢や歩き方のクセによって痛みが生じます。
特に40〜60代の女性に多いのが、
太ももの前ばかり使ってしまう歩き方
片足に体重をかける立ち方
猫背や反り腰による腰部の負担
足裏のアーチが崩れている
など、長年の習慣からくる負担です。
このタイプは レントゲンでは「異常なし」と言われるのに痛い という特徴があります。
③ 神経的な問題(自律神経・ストレス・血流の低下)

もうひとつ、近年注目されているのが 神経の過敏化 と 血流の問題。
女性は更年期やホルモンバランスの変化も重なり、
朝起きた瞬間が一番つらい
天気で痛みが変わる
全体的に身体がこわばる
疲れがたまると痛みやすい
といった症状が出やすくなります。
病院の検査では異常は見られませんが、痛みの原因として確かに存在する重要な要素です。
レントゲンで異常がなくても痛い理由
「骨に異常がないなら、どうして痛いの?」これは多くの患者さんが抱える疑問です。
レントゲンで分かるのは 骨の状態だけ。しかし、痛みの原因は骨以外の「筋肉」「神経」「姿勢」「歩行」など、多くの要素が関係しています。
当院に来られる40〜60代女性の方は、病院で異常が見つからなかったケースが非常に多いですが、詳しく調べると原因はしっかり見えてきます。
● 筋肉の硬さはレントゲンでは写らない
長年の生活習慣で筋肉が硬くなると、関節の動く範囲が狭くなり痛みが出ます。特に多いのが、
お尻の筋肉のこりからくる腰痛
ふくらはぎの硬さからくる膝の痛み
足裏アーチの低下によるかかと・足底の痛み
これらはレントゲンには写りませんが、触診や動きのチェックで明確に分かります。
●「歩き方のクセ」による負担
当院で導入している ゲートビュー(歩行観察機器) では、歩行時の重心のブレや足の接地の仕方、左右差が一目で分かります。
実際に多いのは、
外側に重心が逃げる
膝が内側に入る
かかとからうまく着地できていない
片側の足だけ強く踏んでいる
といった“クセ”が痛みを作っているケースです。
患者さん自身が映像で自分の歩行を見ることで、「こんな歩き方してたんだ…」と驚かれることもしばしば。
画像検査よりも「実際の動き」が原因に直結していることは非常に多いのです。
● 姿勢の乱れが全身に波及する

姿勢は足腰の痛みに大きく関わっています。
猫背になると腰の筋肉が常に引っ張られ、反り腰になると背中に負担が集中します。これもレントゲンでは映りません
当院では、体の歪みを「川の流れ」に例えて説明しています。
上流である「骨盤・股関節」がゆがむと、下流である「膝・足首」に負担がたまり、結果として痛みが生じます。
このように、痛みの原因は“写らない部分”に潜んでいることがとても多いのです。
40〜60代女性に多い“隠れ原因”とは
女性患者さんを多く診てきた経験から、
特に40〜60代に共通して見られる“隠れ原因”があります。
① 足のアーチの崩れ(扁平足・外反母趾・浮き指)

年齢とともに足裏の筋力が弱くなると、足のアーチが落ちてきます。足のアーチは「身体の土台」です。
土台が崩れると、
膝にねじれ
股関節の負担増
腰のバランスの乱れ
と、下から順に痛みが生まれます。
当院では フォームソティックス(医療用インソール) を使用し、足のアーチを正常な形に近づけることで、身体全体の負担を改善します。
インソールだけで膝痛や腰痛が軽減する方も多いのは、「足が原因だった」ケースが非常に多い証拠です。
② 股関節の可動域低下
女性は男性に比べて股関節に問題が出やすいと言われています。股関節が硬くなると歩幅が狭くなり、膝や腰に負担が増えます。
当院では、股関節・足関節の動きを読み取り、どこに負担が集中しているかを推察する技術 を用いて評価しています。
これによって、痛みの根本的な原因が見えてきます。
③ 自律神経の乱れ(気象病・ストレス・疲労)
40〜60代はホルモンバランスの変化や環境のストレスが重なりやすく、自律神経が乱れることで筋肉が常に緊張し、痛みやこわばりが起こりやすくなります。
気圧の変化で頭痛・腰痛が悪化する
朝が一番つらい
疲れが取れない
という症状は、自律神経の影響が強いサインです。
当院では、微弱電流治療器(ニューボックス)や手技により、筋緊張と血流を整え、痛みをやわらげるアプローチを行っています。
当院で行っている原因分析の方法(専門性)
ふじい整骨院では、ただ痛い場所を施術するだけでなく、「なぜそこが痛くなったのか」という根本原因の分析を最も重視しています。
① 歩行分析(ゲートビュー)
足の接地・重心のブレ・左右差・歩き方のクセを可視化。患者さん自身にも“原因”を理解していただけます。

② 関節の動きの評価(専門技術)
整形外科の医師や理学療法士も用いる「関節可動域評価」「筋力テスト」「触診」を組み合わせ、痛みの原因を精密に読み取ります。
長年の経験から“どこが動いていないか”“どこに負担が逃げているか”を推察し、最適なアプローチを導き出します。

③ 足のバランス測定(足部専門評価)
足のアーチ、足首の角度、荷重バランスを細かくチェックします。足の問題が膝・腰に引き起こす影響は非常に大きいため、全身の評価には欠かせない工程です。
④ インソール処方(フォームソティックス)
医療用インソールを適合させ、足元から姿勢・歩行を整え、「身体の土台」を作り直します。

⑤ 施術後の変化の可視化
当院では施術前後での動きや立位の変化を記録し、患者さんにも視覚的に見てもらうことで、「良くなっている実感」を持っていただけるようにしています。

まとめ
足腰の痛みは「構造的・機能的・神経的」の3つに分類できる
レントゲンに写らない原因は非常に多い
特に40〜60代女性は“足のアーチ”“股関節”“自律神経”が隠れ原因になりやすい
当院では専門的な原因分析を行い、根本から改善を目指す
どこへ行っても改善しなかった足腰の痛みでも、原因が明確になると「まだ良くなる余地がある」ことが分かります。
今の痛みをあきらめず、まずは一度、体の状態を詳しくチェックしてみませんか?
(監修 柔道整復師・鍼灸師 藤井 憲之)

